RINA

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2020.09.01
「JAZZ JAPAN」三森編集長によるライナーノーツ


小曽根真プロデュース JAZZピアニストRINAの世界デビュー・ファーストアルバム

無添加のJAZZ,無添加のPIANO
ジャズ・レコード愛好大国である日本ではレコードに関して黄金律が存在してきた。スタンダード,ピアノ・トリオor ワン・ホーン,オマージュなど。しかし,さすがの大国もフィジカルに翳りが見え,配信やサブスクが背後から追ってくるなか,黄金律も霞んできている。
小曽根真が国立音楽大学在学中からその才能を高く評価しバークリー音楽大学を経て,ニューヨークで活躍するピアニストRINAが,満を持してリリースする世界デビュー作『RINA』は,そうした黄金律には目もくれずに作られている。ピアノ・トリオであるのは彼女の表現手法の一つであり,2015年に渡米してから研鑽の末に得られたピュアなジャズ・ピアノ表現がここにはある。

M1「Tale Of Small Wishes」はソロ。クラシカルなタッチで叙情あふれるストーリーを紡ぐ。確かなピアノ技術と豊かなイマジネーションを披露するオープニングMCのような曲。イヤフォン/ヘッドフォン・リスニングが全盛の中,機材と音量によっては大人しく聞こえてしまうかもしれないが,表現力のある機材で音量をあげればその真価を存分に味わえる。全曲を通し,最終マスタリングで音にドーピングを加えておらず,製作過程において一切の添加物を加えていないことがピュアな楽器の音色からお判り戴けるだろう。

M2「Shadows Of the Mind」はトリオのスリリングなやりとりが全編を支配する。中村恭士,ジェローム・ジェニングスという一流アーティストを本気にさせている。

M3「Journey」もライヴ・ハウスでの3者の会話をそのまま捉えたような演奏。随所にみせる変幻自在のタイム感によるスインガーぶりに驚かされる。

M4「With You, Always」はピアノとベースによる美しいテーマから,ベースピアノのモノローグのようなソロが印象的。

M5「Foxglove」は濃い目のラテン・フレイバーモチーフにしたスイング曲。ドラムが繰り出すカラフルな音に聴き入ってしまう。

M6「Eternal Eyes」はリリカルなピアノでメルヘンティックな世界に浸らせてくれる。そこをストリングスのような厚みをもたらすシンバル・ワークが素晴らしい。

M7「J.Js Painting」はJerome Jenningsをフィーチャーした曲。そういえば,名手日野元彦がカンバスの上に絵を描く様に叩いているのさとよく話していたのを思い出した。

M8「Run And Rise」は高速調でタイトル通りに全力疾走してクライマックスに向かう。ライヴでいえばラストに客席とともに気分を最高潮にさせる曲だ。

M9「Hope」は高揚した気分のあとのアンコール曲の趣。メッセージを伝える音にRINAの表現力の奥深さを知る。

「エリス・マルサリス・インターナショナル・ジャズ・コンペティション2018」で第2位を受賞するなど本場での評価も著しいRINA。本作ではスタジオ・ライヴのかたちをとり,ジャズの美点であるスリル,ハプニング,インタープレイを余すことなく捉えている。現代ではほとんど例を見ないRINAと小曽根が求めた音と演奏には,確かな耳を持つ音楽ファンだけでなく,原音再生/ハイレゾ再生に音楽の本質を求めるオーディオ・ファンをも唸らせる仕上がりとなった。この大胆な挑戦を後押しし,さらなる高みへと昇らせた小曽根のプロデュースにも感謝したい。
三森隆文(JAZZ JAPAN)

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